保育士の復帰で使えるお金|就職準備金40万円と保育料の貸付をわかりやすく

保育士の転職

保育士として復帰しようと考えたとき、お金のことが気になる方は多いと思います。

実は、保育士の復帰を後押しするお金の制度があります。就職準備金40万円や、自分の子どもの保育料の一部を貸してもらえる制度です。しかも、一定期間働くと返さなくてよくなります。

ただし、これらは「もらえるお金」ではなく「貸付」です。仕組みを知らないまま申し込むと、あとで困ることもあります。

この記事では、制度の中身と注意点を、こども家庭庁や自治体が公表している資料をもとにまとめました。

まずは全体像を図にしました。

保育士の復帰で使えるお金の制度の図。相談する、お金を借りる、2年はたらくの3ステップで、就職準備金40万円以内と保育料の一部貸付月2万2千円以内が2年勤務で返還免除になることを示す図
保育士の復帰で使えるお金の制度(2026年9月時点)

お金の制度は、3つのステップで考えると分かりやすいです

制度の基本は、「借りる → 一定期間はたらく → 返さなくてよくなる」という流れです。

  • 借りる:就職が決まったタイミングで申し込みます
  • はたらく:多くの自治体では、保育所等で2年間続けて勤務することが条件です
  • 免除される:条件を満たすと、借りたお金の返還が全額免除されます

大事なのは、2年たたずに辞めた場合は返さなければならないということです。ここを理解したうえで使えば、とても心強い制度です。

なお、貸付はいずれも無利子ですが、連帯保証人が必要な場合があります。申し込む前に確認しておきましょう。

制度1:就職準備金(40万円以内)

保育士として再就職するときに必要な費用を貸してくれる制度です。

  • 金額:40万円以内(1人1回限り、無利子)
  • 対象:保育所等に新たに勤務する方、離職後1年以上たっている方など
  • 返還免除:保育所等で2年間続けて勤務すると、全額免除

こども家庭庁の資料によると、令和6年度には1,372人がこの就職準備金を借りています(こども家庭庁「令和8年度 保育関係予算」の資料)。

使い道は就職の準備にかかる費用です。自治体の案内を見ると、通勤用の自転車の購入費、職場で使う服、研修費、引っ越しにかかる費用、自分の子どもが保育所を利用するための費用などが挙げられています。

条件は自治体によって違います。たとえば、ある県では「保育士・保育所支援センターの支援を受けて再就職が決まった方」が対象になっています。窓口を通さずに就職を決めると対象外になる場合がある、ということです。

申し込みを考えているなら、就職活動を始める前に、自分の地域の条件を確認しておくことをおすすめします。

制度2:未就学児をもつ保育士への保育料の一部貸付(月2万7千円以内)

小さい子どもがいる方にとって、現実的に効いてくるのがこちらです。

  • 金額:自分の子どもの保育料の半額(月2万7千円以内)
  • 期間:1年間
  • 対象:未就学児をもつ保育士で、保育所等に新たに勤務する方や、産休・育休から復帰する方
  • 返還免除:保育所等で2年間続けて勤務すると、全額免除

「自分の子どもを預けてまで働く意味があるのかな」と迷う方は少なくありません。この制度は、その負担を軽くしてくれるものです。

制度3:早朝・夜間の、子どもの預け先の利用料の一部貸付

保育園で働く時間が早朝や夜で、自分の子どもの預け先がないときに使える制度もあります。

  • 金額:ファミリー・サポート・センターやベビーシッターの利用料の半額
  • 借りられる期間:2年間
  • 2年間、保育士として働くと返さなくてよくなる

実施しているかどうかは自治体によってちがうので、制度1・2とあわせて、住んでいる地域でたしかめてみてください。

参考:これから資格を取る人向けの制度もあります

すでに資格を持っている方には直接関係しませんが、保育士修学資金貸付という制度もあります。

養成施設に通う学生に、学費として月5万円以内(総額120万円以内)を貸し付けるものです。入学準備金20万円、就職準備金20万円を加算できる自治体もあります。卒業後に保育士登録をして、5年間続けて勤務すると返還が免除されます。

家族や知り合いで「これから保育士を目指したい」という方がいたら、教えてあげてください。

自分の地域の制度を調べる方法

ここまで紹介した金額や条件は、自治体によって違います。実施していない地域もあります。

自分の地域の制度は、次の方法で調べられます。

  1. 「お住まいの都道府県名 + 保育士 就職準備金 貸付」で検索する
  2. 出てきた都道府県や市区町村の公式ページを見る
  3. 申請先は社会福祉協議会であることが多いので、そこに直接問い合わせる

同じ都道府県内でも、政令市に住んでいる場合は市の制度が使えることがあります。県と市の両方のページを見てみてください。

お金以外に、無料で使える相談窓口があります

もうひとつ知っておいてほしいのが、保育士・保育所支援センターです。

これは都道府県などが設置している公的な窓口で、2025年10月からは法律にもとづく仕組みとして位置づけられました。

  • 相談も求人紹介も無料
  • 職員が実際に保育所を訪問していて、求人票には出ない雰囲気や方針を知っている
  • 園見学の調整をしてくれるところもある
  • 就職相談会を開いているところもある

私は復帰するとき、知り合いから園の様子を教えてもらえたのが本当に助かりました。それができる人ばかりではありませんが、この窓口は同じ役割をしてくれます。

自治体によっては、復帰に向けた研修を行っているところもあります。あわせて聞いてみてください。

窓口の連絡先は、こども家庭庁のページにまとまっています。ハローワークや福祉人材センターでも相談できます。

申し込む前に確認したい4つのこと

  1. これは借金です:2年たたずに辞めた場合は返還が必要です
  2. 条件は地域で違います:金額、対象者、申請できるタイミングが自治体ごとに異なります
  3. 申請のタイミングに注意:就職が決まってからでないと申し込めない制度が多く、逆に窓口経由の就職が条件の地域もあります
  4. 連帯保証人が必要なことがあります:誰に頼むかを先に考えておくと安心です

まとめ

  • 保育士の復帰には、就職準備金(40万円以内)と保育料の一部貸付(月2万7千円以内)という制度があります
  • どちらも貸付ですが、保育所等で2年間はたらけば全額返さなくてよくなります
  • 金額も条件も自治体によって違います。「地域名+保育士 就職準備金 貸付」で検索し、社会福祉協議会に確認してください
  • お金以外にも、保育士・保育所支援センターという無料の相談窓口があります

「戻りたいけれど、お金のことが不安」という理由で足踏みしているなら、まずは自分の地域にどんな制度があるか調べてみてください。使えるものは、使っていいと思います。

復帰そのものに不安がある方は、こちらの記事も読んでみてください。

参考資料(いずれも2026年9月に確認)

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