
「非認知能力」っていう言葉は聞いたことがあるけど、どんなもの?

かんたんに言うと、お友達とかかわる力や、がまんする力、あきらめずにがんばる力など、テストではかれない「心の力」のことです。
私は、乳幼児期にいちばん育てたいのは、この非認知能力だと思っています。文字を書く、英語を習うといったことよりも、保育士の仕事の中でも、とても大切にしている力です。
この記事では、文部科学省の資料と、保育園での私の経験から、非認知能力とは何か、どうやって育つのかをまとめます。
非認知能力とは
非認知能力は、テストの点数のように数字ではかりにくい力のことです。
文部科学省の有識者検討会の最終報告(令和6年10月)では、次のような力として書かれています。
- 根気強さ、注意深さ、意欲、自信
- 忍耐力、自己制御(気持ちや行動をコントロールする力)、自尊心
また、非認知能力と、学力のような「認知能力」は、遊びや生活の中で、おたがいに関わり合い、支え合って育っていくと書かれています。
国も「10の姿」として大切にしています
保育所保育指針や幼稚園教育要領などには、「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」として、10の姿が書かれています。
- 健康な心と体
- 自立心
- 協同性
- 道徳性・規範意識の芽生え
- 社会生活との関わり
- 思考力の芽生え
- 自然との関わり・生命尊重
- 数量や図形、標識や文字などへの関心・感覚
- 言葉による伝え合い
- 豊かな感性と表現
自立心、協同性、道徳性など、非認知能力にあたるものがたくさんふくまれています。なお、10の姿は、ほかの子とくらべたり、到達度をはかったりするためのものではありません。
0歳から始まる、友だちとの関わり
保育園では、0歳児のときから、同じくらいの月齢の子や、少し上の月齢の子といっしょに過ごします。
たとえば、おもちゃの取り合いは、0歳児から起こります。
取り合いのとき、保育士がしていること
まだ言葉がわからない時期でも、保育士は「◯◯ちゃんが使っているよ」などと声をかけます。
月齢にもよりますが、
- 子どもの気持ちを代弁する
- ときには、子どもたちだけで解決できるか、どのように解決するかを見守る
といった関わり方をしています。
子どもは、こうした日常の中で、少しずつコミュニケーションを学んでいきます。
年長になると、園のリーダーに
年長になると、子どもたちは保育園のリーダーとなって活動します。
係活動をしたり、「さすがお兄さん!」「さすがお姉さん!」と言われたりすることも多く、自信をつけながら、毎日を過ごしています。
「自分で考えて、選んで、やり抜く」声かけ
月齢にもよりますが、3歳児以上には、自分で考えて行動できるような声かけをするように努めています。
たとえば、子どもが迷っているようなときは、こんなふうに声をかけます。
どうしたの? どうしたい? それなら、これとこれがあるよ。どちらがいいかな?
幼児でも、自分で考えて、自分で選べるように声をかけていきます。
そして、選んだらやり抜けるように声をかけたり、ときには手伝ったりもします。
虫が好きな私が、保育の中でアゲハを羽化させたときの話は、こちらに書いています。
家庭でできること
家庭でできることとしておすすめしたいのは、いっしょにおやつや料理をすることです。
料理がむずかしい日でも、飲み物をコップに注ぐなど、お手伝いをしてもらうだけでも十分です。
失敗しても怒らず、「感情」と「行動」を分ける
お手伝いをしていると、こぼしたり、失敗したりすることもあります。
そんなときは、怒ったりせずに、「失敗したら、こうする」と伝えるのがいいと思います。気持ち(感情)と、どうするか(行動)を分けて対応するということです。

これがむずかしいのですが……私も修行中です。
まとめ
- 非認知能力は、根気強さ・意欲・自信・自己制御など、数字ではかりにくい力
- 学力などの認知能力と、遊びや生活の中で支え合って育つ
- 国も「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿(10の姿)」として大切にしている
- 保育園では、0歳から友だちとの関わりの中で、コミュニケーションを学んでいく
- 3歳以上には、「どうしたい? どちらがいいかな?」と、自分で考えて選べる声かけを
- 家庭では、いっしょにおやつや料理。失敗したら「こうする」と、感情と行動を分けて


