保育士のボーナスは、いくらくらいなのでしょうか。
求人票には「賞与 年○か月」と書かれていても、実際の金額はイメージしにくいですよね。
私はパートで働いていますが、賞与にあたる手当があります。前の仕事より時給は200円ほど高いだけでしたが、賞与まで含めて1年で見ると、働く時間を減らしても受け取る額は同じくらいでした。
ボーナスは、思っている以上に「1年でいくらになるか」を左右します。
この記事では、国の賃金統計をもとに、保育士のボーナスの平均と、いつもらえるのか、1年目やパートの場合はどうなるのかをまとめます。
※2026年10月時点の情報です。
保育士のボーナスの平均は、年およそ85万円
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、フルタイムで働く保育士の平均は次のとおりです。
| 項目 | 金額など |
|---|---|
| 平均年齢 | 40.3歳 |
| 平均勤続年数 | 9.1年 |
| 毎月の基本的な給与(所定内給与額) | 27万9,200円 |
| 年間のボーナス(年間賞与その他特別給与額) | 84万7,900円 |
毎月の基本的な給与と比べると、ボーナスは年におよそ3か月分です(84万7,900円÷27万9,200円で計算)。
この「年間賞与」は、調査の前の年の1年間に支払われたボーナスなどの合計です。夏と冬のボーナスのほか、期末手当や一時金も含まれます。
経験年数で、ボーナスは大きく変わります
同じ調査で、経験年数ごとの平均も出ています。

| 経験年数 | 年間のボーナス(平均) |
|---|---|
| 0年 | 10万7,400円 |
| 1〜4年 | 64万6,400円 |
| 5〜9年 | 77万6,500円 |
| 10〜14年 | 84万9,800円 |
| 15年以上 | 111万6,700円 |
経験を重ねるほど、ボーナスも増えていきます。15年以上になると、100万円を超えます。
1年目のボーナスが少ないのはなぜ?
目立つのは、経験0年の10万7,400円です。
ボーナスは多くの場合、「決められた期間に、どれくらい在籍していたか」をもとに計算されます。4月に働き始めたばかりだと、夏のボーナスの計算に入る期間が短いため、少なくなりやすいのです。
2年目からは、計算の期間がまるごと入るようになります。
どの期間で計算するかは、園の就業規則(給与規程)で決まっています。気になる場合は確認してみてください。
いつもらえる?
公立の園:6月と12月
公立の保育園で働く保育士は地方公務員なので、ボーナスは「期末手当」と「勤勉手当」という名前で、6月と12月の年2回支給されます。
私立の園:園の就業規則で決まります
私立の園では、いつ・何回支給するかは園ごとに決まっています。夏と冬に支給する園のほか、3月に「年度末の一時金」が出る園もあります。
3月の一時金は、国の「処遇改善」のお金が年度の途中で上乗せされた分であることが多いです。くわしくはこちらにまとめています。
辞める時期を考えている人は、支給日を確認
就業規則で「支給日に在籍している人に支給する」と決めている園もあります。
年度の途中で辞めることを考えている場合は、ボーナスの支給日と、辞める日の順番を確認しておくと安心です。
公立と私立で、決まり方が違います
公立:国家公務員のしくみが目安になります
公立の園の期末手当・勤勉手当は、自治体の条例で決まります。
目安になるのが、国家公務員のボーナスです。人事院の資料によると、国家公務員のボーナスは年4.65か月分です。2026年8月の人事院勧告では、年4.70か月分への引き上げが勧告されました。
勤勉手当は、勤務の成績に応じて金額が変わるしくみです。
私立:払うかどうか、いくらかは園が決めます
私立の園では、ボーナスを払うかどうか、いくら払うかは園が決めます。法律で「必ず払うこと」と決められているものではありません。
ただし、職員が常時10人以上いる園では、ボーナスを払うことにしている場合、そのルールを就業規則に書くことが労働基準法で決められています。
「保育士のボーナスは国から出ているの?」という疑問もよく見かけます。私立の認可保育園の運営費(公定価格)のうち人件費は、国家公務員の給与に準じて計算されています(こども家庭庁の資料より)。ただ、それをボーナスとしていくら配るかは、園の判断です。
パートでもボーナスはもらえる?
パートの保育士の平均は、年13万2,500円
同じ国の調査では、パート(短時間労働者)の保育士の平均も出ています。
| 項目 | 金額など |
|---|---|
| 1時間あたりの給与 | 1,419円 |
| 1か月に働いた日数 | 15.6日 |
| 1日に働いた時間 | 5.7時間 |
| 年間のボーナス | 13万2,500円 |
これは、ボーナスがない人も含めた平均です。
公立のパート:条例で支給できます
公立の園のパート(会計年度任用職員)には、地方自治法で「条例で、期末手当又は勤勉手当を支給することができる」と決められています。
支給の条件(勤務時間や任期など)は、自治体の条例で決まります。募集要項で確認できます。
保育士パートの時給はどう決まる?公立と私立の違いと求人票の見方
私立のパート:正社員と同じ貢献なら、同じ考え方で
私立の園のパートには、「同一労働同一賃金」のルールがあります。国のガイドラインには、こう書かれています。
賞与であって、会社の業績等への労働者の貢献に応じて支給するものについて、通常の労働者と同一の貢献である短時間・有期雇用労働者には、貢献に応じた部分につき、通常の労働者と同一の賞与を支給しなければならない。
つまり、正社員と同じように貢献しているなら、パートだからという理由だけでボーナスをなくすことはできない、という考え方です。
また、パートの人は、正社員との待遇の違いとその理由について、園に説明を求めることができます。
ボーナスも「年収」に入ります
扶養の範囲で働いている人は、ボーナスの分も年収に入ることを覚えておいてください。毎月の給料だけで計算していると、年末に思ったより多くなることがあります。
求人票でボーナスを見るときのポイント
最後に、転職を考えている方へ。求人票の「賞与」の欄は、次の3つを確認すると比べやすくなります。
- 「年○か月」は、何の○か月分か——基本給の○か月分なのか、手当を含めた月給の○か月分なのかで、金額が変わります
- 「実績」か「予定」か——「前年度実績」と書かれていれば、去年はその月数が出たという意味です
- 一時金が含まれているか——3月の処遇改善の一時金を、賞与の欄に含めて書いている園もあります
時給や月給の数字だけでなく、ボーナスまで入れて「1年でいくらになるか」で比べるのがおすすめです。

時給の数字だけで求人を比べないでほしいと思います。賞与や手当まで入れて1年で計算すると、順番が入れ替わることがあります。
求人の探し方は、こちらにまとめています。
まとめ
- 保育士(フルタイム)のボーナスの平均は年84万7,900円。毎月の基本給のおよそ3か月分
- 経験年数で大きく変わる。0年は10万円ほど、15年以上は100万円超
- 1年目が少ないのは、計算に入る期間が短いから
- 公立は6月と12月。国家公務員は年4.65か月分(4.70か月分への引き上げを勧告)
- 私立は園が決める。3月に年度末の一時金が出る園もある
- パートの保育士の平均は年13万2,500円。公立は条例で、私立は同一労働同一賃金の考え方で
- 求人票は「何の何か月分か」「実績か」「一時金を含むか」を確認




