職務経歴書を考えるのは、正直に言って苦手です。集中力がいるからです。
何年に何をしていたか、そこで何を担当していたか。思い出すだけで疲れてしまい、書く前に手が止まる。同じように感じている方は多いと思います。
私は、幼稚園教諭から一般企業に移り、そのあと保育園にパートとして戻りました。保育と関係のない職歴がある、短い職歴があるという、職務経歴書で迷いやすい要素を両方持っています。
この記事では、苦手な人でも書けるように、書く前に材料を出すところから順番にまとめます。
パートでも職務経歴書はいるの?
最初に、よく迷うところです。
求められるかどうかは、園によって違います。履歴書だけでよいところもあれば、職務経歴書も出すように言われるところもあります。
私もパートで応募したときに出したはずなのですが、正直なところ記憶が曖昧です。なので、「パートなら必ずいる」「いらない」とは言い切れません。
ただ、一度作っておけば、求められたときにすぐ出せます。職歴を整理しておくと、面接で経歴を聞かれたときにも答えやすくなります。作っておいて損はありません。
苦手な人は、「書く」前に「思い出す」を分けます
職務経歴書が書けない一番の理由は、思い出すことと、文章にすることを同時にやろうとするからだと思います。
この2つを分けると、ずいぶん楽になります。
- 職歴を書き出す:いつ、どこで、何年くらい働いたか
- やったことを並べる:その職場で担当していた仕事を、単語で挙げる
- 保育につなげる:並べた仕事が、保育でどう役に立つかを考える
1と2は、文章にしなくていいのがポイントです。単語を並べるだけです。
実は、この記事を書くために、私自身もこの順番で思い出しました。先に単語で出してしまえば、あとは組み立てるだけです。
私の職歴(材料を出してみます)
実際に、私の材料を出してみます。
幼稚園教諭(1年)
- 4歳児クラス、24人の一人担任
- 園バスの担当
- 製作物の準備(持ち帰りでやることもありました)
医療福祉関係の会社(8年)
- 一般事務:電話応対、データ入力、請求書作成、伝票処理、顧客管理、備品管理、書類のファイリング
- 行政から委託を受けた、福祉用具や医療機器の販売。障害のある方や子ども、高齢の方に向けた仕事です
製造業の会社(フルタイムのパート・3年)
- 医療福祉の会社を退職したあと、平日フルタイムのパートとして勤務
資格
- 保育士資格
- 幼稚園教諭一種免許状
文章になっていなくても、これだけ出てくれば材料としては十分です。
短い職歴も、書きます
私の幼稚園教諭としての職歴は、1年です。
新卒で、22歳で、4歳児24人を一人で担任しました。その責任が、私には重かったです。みんなやっていることではあるのですが、当時の私にとってはそうでした。
こういう短い職歴を、職務経歴書に書くべきか迷う人は多いと思います。私は書きます。
1年でも、4歳児24人のクラスを一人で受け持ったことは事実です。日々の保育も、行事も、園バスも、担任として一通り経験しています。短いからといって、なかったことにする必要はありません。
辞めた理由は、詳しく書かなくて大丈夫です
職務経歴書には、退職の理由を細かく書く必要はありません。
記事7で、「本音は言わなくてもいい。でも、嘘は言わない」と書きました。職務経歴書も同じです。言いたくないことは書かなくていい。ただし、事実と違うことは書かない。
短い職歴や、うまくいかなかった経験があって自信をなくしている方の参考になればと思って、この部分は書いています。短くても、経験は経験です。
異業種の経験は、保育の言葉に言い換えます
保育と関係のない仕事の経験は、そのまま書くだけだと「保育とは関係ない人」に見えてしまいます。
そこで、その経験が保育でどう活きるかに言い換えます。私の場合は、こうなりました。
| 経験 | 保育でどう活きるか |
|---|---|
| 同じ会社に8年勤めた | 長く続けられる。パートの採用でも見られる点です |
| 医療福祉関係の会社 | 福祉の分野にいた。保育所も児童福祉の施設です |
| 福祉用具・医療機器の仕事 | 障害のある方や子ども、高齢の方に向けた仕事に関わってきた |
| 電話応対 | 園にかかってくる電話に、落ち着いて出られる |
| データ入力・ファイリング | 園の事務仕事を任せられる |
| 請求書・伝票処理 | 数字を正確に扱う細やかさ |
| 顧客管理 | 個人情報の扱いに慣れている |
| 備品管理 | 園の備品や消耗品の管理を任せられる |
保育園の仕事は、子どもと関わることだけではありません。パートとして働いている今も、事務の仕事や備品まわりの仕事はあります。異業種の経験が活きる場面は、思っているより多いです。
言い換えのコツは、「この経験があるから、園でこれができます」という形にすることです。
職務経歴書の組み立て例
ここまでの材料を使って、職務経歴書の形に組み立ててみます。これは私の材料をもとにした組み立て例です。そのまま使うのではなく、自分の職歴に置きかえて使ってください。
【職務要約】
大学卒業後、幼稚園教諭として4歳児クラス(24名)の担任を務めました。その後、医療福祉関係の企業で8年間、一般事務として電話応対、データ入力、請求書作成、伝票処理、顧客管理、備品管理などを担当しました。行政から委託を受けた福祉用具・医療機器の販売にも携わり、障害のある方や子ども、高齢の方に向けた仕事を経験しています。その後、製造業の企業でフルタイムのパートとして3年間勤務しました。
職務要約は、3〜5行で経歴の全体像を伝える部分です。採用する側が最初に読むところなので、ここだけ読めば「どんな人か」が分かるようにします。
【職務経歴】
○年○月〜○年○月 学校法人○○(幼稚園)
・幼稚園教諭として4歳児クラス(24名)を一人で担任
・日々の保育、行事、製作物の準備
・園バスの担当○年○月〜○年○月 株式会社○○(医療福祉関係)
・一般事務(電話応対、データ入力、請求書作成、伝票処理、顧客管理、備品管理、書類のファイリング)
・行政から委託を受けた福祉用具・医療機器の販売業務○年○月〜○年○月 株式会社○○(製造業)
・フルタイムのパートとして勤務
パートとして働いた期間も、職歴として書きます。正社員かどうかは関係ありません。
ブランクの期間がある場合は、最後に一言添えておくと、読む側が状況をつかみやすくなります(例:「出産・子育てのため」など)。これも、書きたくない理由なら書かなくて大丈夫です。
【資格】
保育士資格
幼稚園教諭一種免許状
【活かせる経験・自己PR】
一般企業で8年間勤務し、長く同じ職場で働いてまいりました。事務の経験から、パソコンでの書類作成や電話応対、備品の管理など、保育以外の場面でもお役に立てると考えております。
また、福祉用具の仕事を通して、障害のある方や子ども、高齢の方に向けた仕事に携わってきました。幼稚園教諭としての経験とあわせて、子ども一人ひとりに寄り添った保育に努めてまいります。
自己PRは、言い換え表の中から2つか3つを選んで文章にすると書きやすくなります。全部を詰め込む必要はありません。
書くときに気をつけたい2つのこと
担当したクラスの年齢と、子どもの人数を書く
保育の経験を書くときは、担当したクラスの年齢と、子どもの人数を書いておくと、どんな経験をしてきたかが伝わりやすくなります。行事の担当や、園の中での係なども、あわせて書いておきましょう。
子どもや保護者の名前は書かない
保育士には、法律で秘密を守る義務があります。児童福祉法では、仕事で知った人の秘密を、保育士でなくなったあとも、もらしてはいけないとされています。
職務経歴書にエピソードを書くときも、子どもや保護者の名前、特定できるようなことは書かないようにしましょう。
書いたことは、面接で聞かれます
職務経歴書に書いたことは、面接で聞かれる前提で考えておきましょう。
「一般企業ではどんな仕事をしていたんですか」「幼稚園ではどうでしたか」と聞かれたときに、書いた内容を自分の言葉で話せれば十分です。
材料を単語で出しておいたことが、ここでも役に立ちます。面接で実際に聞かれたことは、こちらにまとめています。
履歴書の書き方と、面接でよく聞かれることは、こちらにまとめています。
まとめ
- パートで職務経歴書が求められるかは、園によって違います。一度作っておけば、すぐ出せます
- 苦手な人は、思い出すことと書くことを分けます。先に単語で材料を出します
- 短い職歴も書きます。1年でも、経験したことは事実です
- 辞めた理由は詳しく書かなくて大丈夫。本音は言わなくてもいい。でも、嘘は言わない
- 異業種の経験は、「この経験があるから、園でこれができます」に言い換えます
- 職務要約は3〜5行で全体像を。自己PRは言い換えの中から2〜3個を選びます
職務経歴書は、集中力がいる書類です。一気に仕上げようとせず、今日は職歴を書き出すだけ、明日はやったことを並べるだけ、と分けて進めてみてください。
入ってからどんな仕事をするのかは、こちらの記事に書いています。






