「保育の仕事に興味はあるけれど、資格がない」
そう思っている方が、最初に出会うことが多いのが子育て支援員です。名前は聞いたことがあっても、どういうものなのかは分かりにくいと思います。
この記事では、子育て支援員とは何か、どうすればなれるのか、保育士と何が違うのかを整理します。国が定めている要綱をもとにまとめました。
子育て支援員とは
子育て支援員は、国が定めた全国共通の研修を修了した人のことです。
研修を全科目修了すると、都道府県知事などから「子育て支援員研修修了証書」が交付されます。この修了証書を受けた人が、子育て支援員です。
ここで、ひとつ大事なことがあります。
子育て支援員は、国家資格ではありません。試験を受けて取るものでもありません。研修を受けて修了するものです。
制度の目的は、要綱にこう書かれています。
地域において子育て支援の仕事に関心を持ち、子育て支援分野の各事業等に従事することを希望する者に対し、多様な子育て支援分野に関して必要となる知識や技能等を修得するための全国共通の子育て支援員研修制度を創設し、これらの支援の担い手となる子育て支援員の資質の確保を図る
「育児経験や職業経験など多様な経験を有し」という言葉も、対象者のところに出てきます。子育てをしてきた経験そのものが、入口として認められている制度なのだと思います。
研修は「基本研修」と「専門研修」の2段構え

①基本研修
子育て支援員として最低限必要な、基礎的な知識や子どもへの関わり方を学びます。
②専門研修(4つのコースから1つ)
基本研修を修了すると、次は専門研修です。4つのコースから、自分が働きたい分野を1つ選びます。
| コース | さらに分かれるもの |
|---|---|
| 地域保育コース | 地域型保育/一時預かり事業/ファミリー・サポート・センター |
| 地域子育て支援コース | 利用者支援事業(基本型)/利用者支援事業(特定型)/地域子育て支援拠点事業 |
| 放課後児童コース | ― |
| 社会的養護コース | ― |
③修了証書が交付されます
基本研修と専門研修の全科目を修了すると、修了証書が交付されます。
あとから別のコースを受けたくなったときは、基本研修をもう一度受ける必要はありません。専門研修だけを受ければ大丈夫です。ここは知っておくと役に立ちます。
どんなところで働けるの?
要綱には、子育て支援員が従事することを想定した職務が挙げられています。
- 家庭的保育事業の家庭的保育補助者
- 小規模保育事業(B型)の保育士以外の保育従事者
- 小規模保育事業(C型)の家庭的保育補助者
- 事業所内保育事業(定員19人以下)の保育士以外の保育従事者
- 一時預かり事業の保育士以外の保育従事者
- 放課後児童クラブの補助員
- 地域子育て支援拠点事業の専任職員
- 利用者支援事業の専任職員
- ファミリー・サポート・センターの提供会員
- 社会的養護関係施設等の補助的職員
ここは正確にお伝えします
認可保育所で働くために、この研修が必要というわけではありません。
上の一覧に、認可保育所は入っていません。子育て支援員研修は、小規模保育や一時預かり、放課後児童クラブなどの担い手を想定した制度です。
「保育園で働きたい」という場合は、また別の道になります。そちらは記事の後半で触れます。
保育士とは、ここが違います
| 子育て支援員 | 保育士 | |
|---|---|---|
| 何か | 研修を修了した人 | 国家資格 |
| なり方 | 基本研修+専門研修を修了 | 養成施設を卒業、または保育士試験に合格 |
| 試験 | ありません | 養成施設を出ない場合は試験があります |
| 主な場所 | 小規模保育・一時預かり・放課後児童クラブなど | 保育所をはじめ、幅広く |
どちらが上、という話ではありません。役割と、働ける場所が違います。
費用はどのくらいかかる?
要綱には、こう定められています。
研修参加費用のうち、教材等に係る実費相当部分、研修会場までの受講者の旅費及び宿泊費等については、受講者等が負担するものとする。
つまり、テキスト代や交通費などは自己負担です。研修そのものの費用については自治体によって扱いが違うので、お住まいの自治体の募集要項で確認してください。
「研修に落ちた」と聞くことがあります
調べていて、「子育て支援員研修 落ちた」という検索が多いことに気づきました。
理由は、要綱のこの一文にあります。
研修を実施する際には、研修内容を鑑みて、適切な定員を設定すること。
定員があります。そのため、応募が多いと受けられないことがあります。
落ちてしまっても、次の回に申し込めます。実施時期や回数は自治体によって違うので、募集の情報をこまめに見ておくとよいと思います。
保育士資格を持っている人は、基本研修が免除されます
これは、あまり知られていないかもしれません。
要綱では、次の方について基本研修を免除してもよいとされています。
- 保育士
- 社会福祉士
- その他の国家資格(幼稚園教諭、看護師など)を持ち、日々子どもと関わる業務に携わるなど、実務経験により基本研修で学ぶべき知識等が習得されていると都道府県知事等が認める方

保育士資格を持っている方が、放課後児童クラブや地域子育て支援拠点で働きたいと思ったとき、この免除が使えることがあります。
覚えておくと、選択肢が広がります。
子育て支援員から、保育士へ
子育て支援員として働きながら、保育士資格を目指すという道もあります。
保育士資格の取り方については、保育士資格の取り方にまとめています。
無資格で保育の仕事に入る方法については、こちらもどうぞ。
まとめ
- 子育て支援員は、国が定めた全国共通の研修を修了した人です。国家資格ではありません
- 研修は基本研修+専門研修(4コースから1つ)の2段構えです
- 修了すると、都道府県知事などから修了証書が交付されます
- 別のコースを受けるときは、基本研修の受け直しは不要です
- 働ける場所は、小規模保育・一時預かり・放課後児童クラブ・地域子育て支援拠点など
- 認可保育所で働くための要件ではありません
- 定員があるため、受けられないことがあります。次の回を待ちましょう
- 保育士資格などを持っている方は、基本研修が免除されることがあります
「資格がないから」とあきらめる前に、入口はいくつもあります。


