求人を見ていると、「保育補助」という募集をよく見かけます。「無資格OK」と書かれていることも多いです。
でも、実際に何をする仕事なのかは、求人票からは分かりにくいと思います。
この記事では、保育補助と保育士は何が違うのかを、現場から書きます。私は保育園でフリーとして働いていて、保育補助の方と一緒にクラスに入ることがあります。
保育補助は、資格がなくても働けます
まず、いちばん知りたいところから。
保育補助は、保育士資格がなくても働ける仕事です。求人に「無資格OK」「資格不問」と書かれているのは、このためです。
ただし、保育士ではありません。ここが大事なところです。
いちばん大きな違いは「責任」です

保育補助の方が、クラスに一緒に入ることはあります。子どもと関わり、遊び、生活を一緒に見ます。
でも、必ず担任が一人はいます。
何かあったときに、責任が取れないからです。
これは「信用されていない」という話ではありません。制度として、クラスの責任は担任がもつことになっているからです。
配置基準に数えられるのは、保育士です
保育園には、子どもの人数に対して必要な保育士の数が国の基準で決められています。この人数に数えられるのは、保育士資格を持っている人です。
保育補助の方が何人いても、この基準を満たすことにはなりません。だから、クラスには必ず保育士がいます。
保育補助が「やらない仕事」
私の園では、はっきり分かれているものがあります。
- 担任の仕事(クラスのリーダーとしての役割)
- 日誌
逆に言えば、それ以外は一緒にやっています。子どもと遊ぶことも、食事の援助も、掃除も、片付けも。
「補助」という言葉から、脇でちょっと手伝うだけのように思われるかもしれませんが、実際にはかなりの部分を一緒にやっています。
保育園の1日の流れについては、保育士パートの仕事内容にまとめています。
現場で「これができると助かる」と思うこと
ここからは、一緒に働く立場から思っていることを書きます。
①保育には、すべて「ねらい」があります
担任の保育には、すべてに「ねらい」があります。
今日この遊びをするのはなぜか。この子にこういう声をかけるのはなぜか。全部に理由があります。
そのすべてを分かっている必要はありません。ただ、「この子にはこういう関わり方をする」というのを理解しておくと、保育がぐっと変わります。
そう思いながら子どもと関わってくださる方は、担任からするととても心強いです。
②掃除と片付けを、丁寧に、早く
地味に聞こえるかもしれませんが、これはとても大きいです。
保育園は時間との勝負のようなところがあります。次の活動までに片付けが終わっていると、その分だけ子どもと向き合う時間が増えます。
これは経験によってできるようになります。最初からできなくて当たり前です。
給料は、資格があるかどうかで変わります
保育補助と保育士では、時給が違います。
時給は「地域・園の種類・経験・資格の有無」の4つで決まります。求人票で見ておきたい9つのことも書いています。
幼稚園教諭免許を持っていても、保育園では保育補助です
ここは、意外に知られていないところかもしれません。
幼稚園教諭免許を持っていても、保育園では保育士として数えられません。保育園で必要なのは保育士資格だからです。
実際に、幼稚園教諭免許を持っている方が、保育補助として働いています。
子どもと関わる経験も、安全を守る力も十分にお持ちです。でも、給料は保育士より低くなります。
だから私は、保育士資格を取るチャレンジをするのがいいと思っています。
幼稚園教諭には「特例」があります
そして、ここが大事なところです。
幼稚園教諭免許を持っている方には、保育士資格を取りやすくする特例があります。
- 対象:幼稚園教諭免許を持ち、幼稚園などで3年以上かつ4,320時間以上の実務経験がある方
- 保育士試験の「保育の心理学」「教育原理」「保育実習理論」「実技試験」が基本的に免除されます
- そのうえで、指定養成施設で8単位(特例教科目)を修得します
この特例は、令和11年度末まで延長されています。

幼稚園で働いた経験がある方は、一度確認してみる価値があります。条件や手続きはこども家庭庁のページに出ています。
幼稚園教諭と保育士の違いについては、幼稚園教諭と保育士の違いにもまとめています。
資格を取る道は、ひとつではありません
保育士資格の取り方は、大きく分けて2つあります。保育補助として働きながら資格を目指すのは、現実的な道です。2つの取り方と、どう選べばいいかを保育士資格の取り方にまとめました。
無資格から始められる研修の制度もあります。子育て支援員とは?もあわせてどうぞ。
まとめ
- 保育補助は、保育士資格がなくても働けます
- いちばんの違いは責任です。クラスには必ず担任(保育士)が一人はいます
- 国の配置基準に数えられるのは保育士です
- 保育補助がやらないのは、担任の仕事と日誌。それ以外は一緒にやっています
- 現場で助かるのは、「この子にはこういう関わり方をする」を理解してくれることと、掃除・片付けを丁寧に早くできること。これは経験でできるようになります
- 幼稚園教諭免許を持っていても、保育園では保育補助になります
- 幼稚園教諭には保育士資格取得の特例があります(令和11年度末まで)
保育補助は、保育の仕事に入る入口です。そこから先に進む道も、ちゃんとあります。


